令和2年度 税制改正大綱

昨年の12月に、令和2年度税制改正大綱が発表されました。その令和2年度大綱の中で、資産課税(相続税や贈与税、譲渡所得税)に該当する箇所をご紹介します。

1.配偶者居住権に関する譲渡所得の金額の計算上、控除する取得費の計算方法が明確になりました。

配偶者居住権又は配偶者敷地利用権が消滅等により、対価を受ける場合の取得費

居住建物等の取得費×配偶者居住権等割合-配偶者居住権の設定~消滅等までの期間に係る減価の額

注1)建物の取得費
居住建物等のうち建物の取得費については、その取得の日~配偶者居住権の設定の日までの期間に係る減価の額を控除することとする。

注2)配偶者居住権等割合
配偶者居住権の設定の時における配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の価額に相当する金額÷設定の時における居住建物等の価額に相当する金額

配偶者居住権又は配偶者敷地利用権が消滅する前に、居住建物等を譲渡した場合の取得費

居住建物等の取得費-配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の取得費

注1)建物の取得費
居住建物等のうち建物の取得費については、その取得の日~譲渡の日までの期間に係る減価の額を控除することとする。

注2)配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の取得費
居住建物等のうち配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の取得費については、その配偶者居住権の設定の日~譲渡の日までの期間に係る減価の額を控除することとする。

 

※上記用語等について
配偶者居住権:配偶者が相続開始時に居住していた被相続人の所有する建物を無償で使用及び収益することのできる権利

配偶者居住権の評価額:建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

配偶者敷地利用権:配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供される土地等を配偶者居住権に基づき使用する権利

配偶者敷地利用権の評価額:土地の時価-土地の時価×存続年数に応じた民法の法廷利率による複利原価率

居住建物等:配偶者居住権の目的となっている建物又はその建物の敷地の用に供される土地等