生前贈与①/暦年贈与

相続無料相談を開設し、もうすぐ1年ほどになりますが、贈与に関するご相談も多々頂く様になって参りました。平成27年(2015年)に相続税の基礎控除額の引き下げがあり、相続税の申告が必要となる方が増えたことで、相続税対策の1つの手段として、贈与が広く認識される様になったのかもしれません。

贈与については、当ホームぺージの「相続がおきる前 相談③生前贈与をしたい」において、4つの贈与を挙げおりますが、これらの贈与について個々にもう少し詳しくご紹介してみようと思います。

もともとの贈与の目的は、皆様それぞれだと思います。単純に子供が家を買うのを援助したい、共有名義の土地を一人の名義に統一したい、賃貸収入のあるアパートを長男に渡して、今後はアパートの管理をして行って欲しいなど、いろいろな目的があると思います。

目的はそれぞれですが、贈与をすると、基本的に贈与者(財産をあげる人)の相続税の課税対象となる財産が減少し、受贈者(財産をもらう人)の財産が増加するので、上手に贈与を活用することで、贈与者の相続税の節税対策となります。

① 暦 年 贈 与

両親や祖父母、兄弟、配偶者などの個人から、財産の贈与を受けた人は、その年の1月1日~12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額が、贈与税の基礎控除額110万円を超える場合において、贈与税の申告が必要になります。

1年間に複数の人から贈与を受けた場合でも、贈与を受けた方の基礎控除額110万円は、変わりません。例えば、1/1~12/31の間に父から200万円、母から100万円の贈与を受けた子の贈与税は、[(200万+100万)-110万]×10%=19万円となります。

贈与税の税率は、財産をあげる人と、もらう人との関係で異なってきます。
「両親や祖父母などの直系尊属から、20歳以上の者が財産の贈与を受ける場合」と、「それ以外」とでは、前者の方が贈与税の税率(下記贈与税の速算表)が低くなります。

相続税の節税対策で暦年贈与を行う場合の注意点として、3年以内の贈与財産の加算があります。
これは、相続や遺贈(遺言による贈与)で財産を取得した人が、その相続の開始前3年以内に、その相続にかかる被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合、その贈与により取得した財産の価額は、相続税の課税価格に加算されるという制度です。

〈 具体例 〉
両親と子一人の家庭で、2017年に父から子へ500万円の贈与をしました。子は2018年の確定申告時期に贈与税の申告をして、贈与税48万5千円を納めました。
その後、2019年に父が亡くなりになり、母と子で父の遺産を1/2ずつ取得することとなりました。

このような場合の相続税は、2019年の亡くなった時の父の遺産に、2017年に子へ贈与した贈与財産500万円を加えて計算します。
そして、2018年に子が納税した贈与税48万5千円を子の相続税から控除して、相続税を納めます。

暦年贈与にて3年以内の贈与財産の加算を避けるには、早めに贈与を行うこと、相続や遺贈で財産を取得する人以外へ贈与することがポイントになると思います。

 

()贈与税の速算表
「両親や祖父母などの直系尊属から、20歳以上の者が財産の贈与を受ける場合」

基礎控除後の課税価格 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円 以下 1,500万円 以下 3,000万円 以下 4,500万円 以下 4,500万円 超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10 万円 30 万円 90 万円 190 万円 265 万円 415 万円 640 万円

 

「上記以外」

基礎控除後の課税価格 200万円以下 300万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円 以下 1,500万円 以下 3,000万円 以下 3,000万円 超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10 万円 25 万円 65 万円 125 万円 175 万円 250 万円 400 万円